チタンのアノダイズ(陽極酸化処理)をDIYでチャレンジしてみました。チタンが錆びない理由はチタン表面に瞬時に形成される酸化被膜が非常に安定した不働態被膜であるので酸素を通さずそれ以上酸化が進まないって事らしいです。っでこの被膜を光が通過しチタン本体との境目で反射するが酸化皮膜の厚さに応じて特定の色の光だけが強められる…つまり青に見える酸化被膜の厚さ、紫に見える酸化被膜の厚さがあるって事らしいです。
今回のチャレンジはチタンの酸化被膜の厚さを変更しチタン押し棒の見た目の色を変更します。DIYでチタン製品の酸化被膜の厚さを変更する方法は2パターン!!
チタンの色を変更する方法① 熱を加える!
200℃~250℃でよく見られる青色になると言われています。チタンは放熱性の悪い素材らしくバーナーで炙ると簡単に色が変わっていきます。但しこの方法は下処理で汚れをきちんと落としておかないとムラになりやすいのと、均等に熱を加えるのが難しかったりします。
※最初はこの方法でチャレンジしようと思っていたのですが、色を付けたい物がチャックナイフさんで購入した魚突きで使うBチタン押し棒で、Bチタンはバネ材に使われる柔軟性が特徴でその性能ゆえに曲がりにくい押し棒らしく、熱を加える事により焼き入れのように素材が硬化してしまうとせっかくの柔軟性が失われてしまうのでは…また炙ると脆くなるって記事も見かけたので却下!!
チタンの色を変更する方法② 電気とコーラを使う!
ここから先は自己責任でご覧下さい。金属を液体に浸した状態で通電させるという一歩間違えれば感電死する場合もある行為です。もしもチャレンジされる場合は漏電、ショート、感電等に十分注意して下さい。
用意する物
リン酸が含まれる水溶液 つまり コーラ!!
チタン素材
アルミニウム
配線クリップ
電源
容器
陽極酸化処理を行いたいチタン素材に電源のプラス側(陽極:アノード)を配線クリップで接続、マイナス側(陰極:カソード)はアルミニウムに接続し、アルミニウムとチタンが直接触れないように注意します、陽極酸化処理はプラス側にのみ起こるのでプラスマイナス逆に配線した場合は何も起こりません。コーラを容器に満たし、最後に電源と配線を接続すれば酸化処理が始まり泡が発生します。
仕上がりの色は何ボルトの電圧を流すかで決まりますgoogleで「titanium anodizing」で検索するとボルト毎の色の変化画像とかが出てくるので、自分が変化さしたい色の電圧をどう調達するかが問題になってきます。
家庭用コンセントから配線するのは危険すぎるのでやめましょう。直流安定電源を購入、9V乾電池を直列接続、車等のバッテリーを使用等やり方は数パターンあったのですが、僕の場合はシースクーター用の24Vシールドバッテリーがあったのでそれを利用しました。
容器の調達で僕の場合は問題が発生しました、それと言うのも使用するチタンが長さ55cmあるので家に丁度よい容器がありませんでした…押し入れのヨッメの衣装ケースを利用しようかと思ったのですが、その場合コーラが大量に必要になるのでどうしようかと…困ってツイッターで呟いたところ、もとむらさんが「ゴミ袋でいきましょ」とアドバイスを頂き写真のようにジャックナイフさんがチタン押し棒を発送してくれたダンボール箱にゴミ袋をはめて簡易容器の完成!!
ジャックナイフの店長さんすいません(涙)購入さして頂いたBチタン押し棒は一度も実戦を経験する事なくコーラにまみれて陽極酸化処理される事にないました!
電源を入れると泡が発生し酸化処理がスタートしますが、チタン棒の端から徐々に泡が広がっていくのは見てて錬金術師にでもなった気分です。大きいものや長いものは均一に色を変えたい場合はプラスとマイナスの位置を調整し何度か工程を繰り返す必要があります。色の変化には先に述べた電圧以外に温度も関係するらしくコーラは常温か生暖かいほうが酸化がすすむそうです。
ビフォーアフター画像
先が青→紫→茶色に変化していますが青部分が一番アルミニウムのマイナス側に近かった部分です。そこから電極が離れるによって電圧が下がったのでしょうか??まあ綺麗なグラデーションになったのでこれはこれで良しとします。
また、思た色が出なかった場合は酸化被膜を磨くと元の銀色に戻るそうです!!!
後日、紙コップで手銛本舗さんのチタン金具を陽極酸化処理してみましたが、表面にコーティングがされているのかそのままでは、ほとんど表面の色合いは変化しませんでした。